武器になる哲学
哲学は教養として学ぶべきものなのに、全然学ばれてない!という筆者の思いから作られた本。50名の哲学者の哲学をギュッとサマライズした本です。
この歳になってわかってきたのですが、自分の経験から物事を判断するとバイアスが多く、自分に不利益になる決断を平気でしてしまう。だからこそ、ちゃんと哲学を学んで、そもそも人間はどういうものなのか考えることで、知識のデトックスができて良かった。
この本では、哲学初期の神を信じることで始まる哲学から、人間そのものにフォーカスした哲学まで哲学の考え方の歴史が学べるのも非常に良かった。
この中で私が興味深かったのはカルヴァンの予定説。[努力など関係なく、物事は決まっていると。]これ自体は知っていましたが、その解釈が面白かった。
以下引用。
自分の努力に対して、正確に相関できる報酬を受け取る。そういうわかりやすいシステムであれば、人間はよく働く。そう思っている人がすごく多い。雇用問題の本を読むとだいたいそう書いてある。でも僕は、それは違うと思う。労働と報酬が正確に相関したら、人間は働きませんよ。なんの驚きも喜びもないんですもん。
確かに、全てが評価される世界だったら、評価されない人の逃げ場は無くなる。この考え方は面白いと思いました。