疲れすぎて眠れぬ夜へ 内田樹
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この本において、種族、属性というものを学ぶことができた。この本は、そういう話をメインで描いたわけではないと思うが、私にはその部分が響いたのだ。
例えば、礼節は人生におけるディフェンスと説いている。自分に仮面をつけることで、各場所の属性に馴染むことができる。最近言われるのが、自由に生きるということ。でも、著者は自由に生きるということを履き違えていると説明している。例えば、お葬式において自分を貫くために、真っ白なジャケットに真っ赤なネクタイを着ていってもそれは嫌なことをされるだけだ。万が一に、その行為が全ての人が納得する理由を持っていても、その理由を聞くという精神的負荷をすべての人が負う理由は無い。であるならば、どんな理由にせよその場にあった対応、格好をした方がいい。礼節を重んじれば、各種の属性に対して場を荒らすことはなくなる。本来自由とは、どんな場所でも自分らしく生きるというわけではないと。正直なところ自分も自由に振る舞うという考え方に関して改めさせられるところがあった。
また、面白かったのは今の人間は資本主義に属されてる、と説いたところだ。資本主義は大量消費、大量生産が定義となっている。そこで大事なのは、各種世代、種族において欲望は拡散しないこと。拡散しなければ、売れるもの、消費されるものは同じになり、大量に消費され、生産できる。しかし、各世代、種族において好みは多様化したい欲求がある。そこで出た結論は、わずかな差異を逆に提示することで、その差異を受け止め、自分で選んだという納得考えられる。一方、差異はわずかなため、同じようなものが消費され、資本主義世界が持続される。
その表現として、例えば日本人は1日の中で5:11-5:12の間で生きるとしている。とても面白い表現だ。ほとんどの人は狭い間にしか生きていないと。本当の自由とはかけ離れてしまった。
色々と考えさせられることがありました。